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中小企業家同友会景況調査報告(2023年12月22日)
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松江支部・青年部会合同8月例会(壮行例会)

実践の決断は明るい未来を信じる気持ちから

なぜ経営指針で会社が変わるのか

開催日程:2014年8月5日


報告者 石倉氏

報告者:石倉昭和 氏     協和地建コンサルタント(株)  代表取締役社長

<内容>
協和地建コンサルタント株式会社は昭和35年創業の社員22名の会社で、公共事業が売り上げの8割を占めている。石倉氏は建設コンサルタント会社に16年勤務後2009年4月より3代目社長に就任した。
 前社在職中に技術士の資格を取得、また労働組合の役員を9年努めて労務管理の実務を学んだ。しかし帰郷直後の社長就任にあたり、財務体質に問題のあった会社の立て直しのため、経費削減等の社員の反発を生じる改革から着手せざるを得ない状況であった。
 その中で社長就任後3年目に①倒産する確率が低くなる②3年目の一区切り③現状打破のため経営指針を策定した。この際に自問自答を重ね、「経営者がいい人でなければならない」ことへの違和感を感じ、「自分のために経営しちゃだめなのか」、「本当にみんな社員のためとか思っているのか」など熟慮の末、今後はそう思うことにしようというとこに落ち着いた。経営指針の初の発表会では社員からは批判的な意見も出たが、自分自身の拠り所、社員にとっては様子見の段階であった。
 経営指針を策定したことにより①地中熱など新領域への挑戦②新卒採用③賃上げと労務関係の改善が可能となった。策定後の石倉氏自身の変化として①自分らしさが無くなった②社員の意見を受け入れやすくなった、社員の変化として自主性が高まった点が挙げられた。実践の具体例としてSNS型日報システム、生産性向上チームなどの職場チーム活動が挙げられた。また社員の反発には、聴くべき指摘を見逃さないようにすることで対応したこと、昇給、賞与の適正化の実行も述べられた。社員がついてくるためには結果を出すこと、結果が出るまで続ける勇気が必要とも述べられた。
 まとめとして、夢のある会社へ進んでいくために、人は簡単には変われないので、ふりをすることよりのスタートでもいいのではないかということであった。

<感想>
社長就任後の行動の迅速さは特筆ものだと感じた。特に経営指針の策定後の給与規定改定、財務体質の改善、賃上げ、賞与の増額は参考になった。
 起業家に比べて後継者は何のために経営をしているのかという意識が乏しい嫌いがあるとのことだったが、起業者として現在経営指針を作成中の自分も自問自答中である。そんな中、外向きの指針との批判などがあっても社長自身が後ろ指を指されないようにトイレ掃除を長年実行されている点など、まず行動で社員に示していく姿勢が、最初は批判的だった社員にも認めさせた理由なのだろう。いかにして社員との信頼関係を構築していくのか大変参考になった。つい自分が正しいと頑になり、会話が乏しくなっている職員もいる現状に反省した。
 また、本心が違っていてもやっていることが正しければ善人だといわれたエピソードは理念に悩んでいる身には考えさせられた。理想と現実、本音と建前の使い分けが本当に良い意味でうまく実践されていると思った。
 今までの報告とは理念への向かい方の切り口が異なっていて、これから理念を作成する経営者にとっては本当に有益な報告であった。


横木広幸

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