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2月例会

「社員の未来は社長が守る?」

~同友会の学びが「人を生かす」ことの本質に気づかせてくれた~

開催日程:2015年2月10日


報告者:内田 雄之 氏

報告者:内田 雄之 氏     株式会社プラチナ 代表取締役

<内容>
「社員の未来は社長が守る」をテーマに、会社の名前の由来、起業するまで、起業してから、同友会入会後、新社屋の完成から完成後、現在に至るまで、そして将来向けた展望、といった内容について解説をしていただきました。内田さんが代表取締役を勤められている(株)プラチナは、自動車の販売、整備、修理など、自動車に関わる様々な営業を行っている会社で、2006年(平成18年)に松江市で創業しておられます。内田さんはもともと会社員として自動車販売を担当していたのですが、会社の上司との人間関係がうまくいかず、またこれまで営業で培っていたお客様が400名を超えていた等の事情から起業を決意されたとのことです。起業後は、社員の給料を高くすること、不得意なことはやらせない、という目標を掲げて、社員にとってやりがいのある会社を目指すのですが、自分の思いと裏腹に、社員がなかなか動いてくれないことにいらだちを感じます。そのうえ、すぐに資金繰りに困り、消費者金融からの借入を繰り返すなど、苦しい経営が続くことになります。そんな中、「稼ぐための経営の勉強ができる」と思い、同友会への入会をします。しかし、入会後最初の例会で「お客様や社員の幸福のための経営」という姿に違和感、イライラを感じ、当初は「経営の目的は金、きれい事で飯が食えるのか」という思いがあったそうです。それでも、組織変更、適材適所の人材の登用などで、徐々に経営を盛り返し、新社屋への移転を昨年果たすことになります。ところが、新社屋に移転したとたん、大幅な債務超過となり、そのうえ、昨年末に突然の入院という不幸に見舞われます。入院当初は、社員が思うように動いてくれず、早く現場に復帰しなければ、という思いがあったのですが、やり方を任せてみることによって、思った以上の成果がでるようになったということです。こうした経験を経て、社員一人一人の人生に責任を持って、生涯向かい合うことの意義、戦略は経営者、戦術は現場に任せることによって、人を生かす意義を考えるようになったとのことです。そして、社員の未来は社長が守り、企業の総合力で創るをモットーに会社はV字回復を果たし、将来は輸入中古車で中海圏域No1を目標に掲げているとのことでした。

<感想>
率直に、時に真剣に、これまでの経営の道のりを語って下さった内田さんの姿勢に、強く感銘を受けました。企業経営では「ヒト、モノ、カネ」が三要素と言われ、特に高度成長の時期には終身雇用、年功序列、労働組合、いわゆる三種の神器と呼ばれる制度が日本経済を支えてきました。しかし、バブルが崩壊し、そのうえ働く意識や働き方が多様化してくると、高度成長の時代の考え方や企業経営では業務が成り立たなくなり、新しい時代の経営理念が求められてくるといえます。そうしたなか、今回の内田さんの発表では、新しい時代の社員と会社の関係を示してくれたのではないか、と思いました。経営理念や経営指針を示すことはもちろん、積極的なコミュニケーションの重要性、そして何より「社員の未来には社長が全責任を持つ」という姿勢を示すことで、社員が生き生きと働く職場を作り上げたのではないでしょうか。そういった姿勢があったからこそ、数々の困難に遭遇しながらも現在の経営を維持し続けられているのではないか、と思います。内田さんはまだ30代と年齢的にも若い方ですが、島根にこうした若き経営者がいる、ということは島根の未来にも展望が開けてきたのではないかと思います。ぜひ、今後もすばらしい経営を続けて言って欲しいと思います。


佐藤 力

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